考えない、思い出さない


お釈迦様は「大きな欲望を持つ人は必ず大きな苦しみに遭う。欲望を減らす者は苦しみも少ない。」と説かれました。
達磨大師も「求むるところあるは皆苦なり。」と言われました。
このような苦しみから逃れ、心豊かに生きるにはどのようにしたらよいのかということになります。
お釈迦様は「苦しまないようにするには考えないことが大事だ。思い出さないことが重要だ。」と説かれました。


中国禅宗の高僧、慧能も仏教の教えで最も大事なことは「不思善、不思悪」(良いことも、悪いことも考えないこと)だと言われました。
臨済宗中興の祖と仰がれた白隠禅師の法の上の祖父にあたる至道無難禅師は「もの思わざるは仏の稽古なり。」と言われました。
私たちが本来持っている清らかな心を自覚する修行は「考えないこと」だというのです。


思い出すということは心の病気の現れだといいます。
妄想が出るというのが病気なのです。
そして、それを治療するためには念を発展させないこと、そこで止めるということが大切です。
私たちは本来の自分の心を知り、その心に従って生きることが大切です。
それにはまず、考えない、思い出さないという工夫が最も大事で、心の本質を理解する目的もそこにあります。

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