他を労わる・・・人は自分と同じではない


夫婦などで一方が元気で他方が弱っている場合など、愛し合い労り合える仲ならばよいのですが、弱い相手に関する同情を欠く場合があります。
「~が病気ばかりしているおかげで私は何もできません。」など、嫌味のような言い方をしてみせる人が少なくありません。
「あなたがもっと勇気を出さないから体がダメなんだ。」、「あの人が怠けてるから旅行にも行けない。」という形の同年輩者に対する非難も控えなければなりません。


もちろん、気弱さ、苦しみに耐える力のないことなどから、年不相応に弱っている老人も多いですが、それを道徳的な欠陥と断定する権利は誰にもありません。
直接非難の形をとらなくても、一方的に自分の体力や気力を標準にして、自分もこれくらいのことができるのだから、相手にもできそうなものだと思い込む人がいます。


ことに高齢になると、意気昂揚している人はますます昂揚し、気持ちの沈む人は人一倍沈むものです。
その差の開き方は激しいものですから、くれぐれも自分の体力、気力を物差しにして他人の生き方を決めつけることは避けねばなりません。

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