貝原益軒に学ぶ


貝原益軒の「養生訓」というと、健康法を説いた本のように思いますが、益軒が説いているのは人生をいかに楽しんで生きるかということです。
「人間の命は私物ではなく天地のものだから、謹んで、よく養ひて、そこなひやぶらず、天年を長くたもつべし。」というのが益軒の根本的な考えです。


さて、例えば、養生の術についてはこう言っています。
「養生の術は安閑無事なるを専らとせず、心を静にし、身を動かすをよしとす。身を安閑にするは、かへって元気とどこほり、ふさがりて病を生ず。これをもって、四民(あらゆる職業の人)ともによくつとむべし。安逸なるべからず。これ即ち養生の術なり。」


また、日常生活の中で面倒くさがってはいけないと教えています。
「煩(はん)を厭(いと)うはこれ人の大病なり。これ人事の廃れ緩み、功業の成らざる所以(ゆえん)なり。」(「慎思録」)
面倒くさがらず、勤勉に努めないと事業は成功しないということです。
現代に生きる私たちも自戒しなければならない言葉です。

×

非ログインユーザーとして返信する