老いに向かうもののたしなみ


「浜までは 海女も蓑着る 時雨かな」
江戸時代中期の俳人、瓢水(ひょうすい)の句です。


時雨(しぐれ)のなか、海女が蓑を着けて海岸まで歩いていく。
どうせ海に入るのだから、蓑など着けなくてもいいのにと思うけれども、さすがに身だしなみだけは忘れない、その心に瓢水は動かされたのでしょう。


死に向かっていく自分も、あのように美しくありたいと瓢水も願っていたのでしょう。
命はやがて消えるときが来ますが、それまでは美しく生きる努力をしたいものです。

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